2019年7月15日月曜日

歌舞伎の下座で使われる打楽器

歌舞伎では、舞台に向かって左側(下手 しもて)にちょっと薄暗い部屋があって、そこで音楽を演奏し、効果音を流す。
その部屋は黒御簾(くろみす)といって、スダレが掛かっていて、音は流れ出るが中は暗くてよく見えないという構造になっている。
そして、そこで演奏される音楽を下座音楽(げざおんがく)という。一般の民謡にも使われる三味線や太鼓を使うが、中には下座音楽独特の鳴り物もある。


下座で使われる打楽器 駅路
駅路は、ドーナッツのような金属円盤を3個~4個、針金に通した打楽器。
宿場から宿場へ通じる道を駅路というらしい。歌舞伎では街道や宿場の場面で用いのでその名前をこの打楽器にあてたのだろう。

下座で使われる打楽器
オルゴールといえば、ネジを巻いた動力によって金属片をはじき、音楽を自動演奏する小箱のことであるが、下座音楽のオルゴールは鉦だ。
木の板に大小の鉦(かね)を並べて取り付けてあり、バチで叩く。蝶の飛ぶ場面や虫の音に用いられる。

チャッパ 歌舞伎の下座で使われる鳴り物
ちっちゃなシンバルのような楽器。
手平金(手平鉦 てびらがね)、銅拍子(どうびょうし)ということもあるが、下座ではチャッパと呼ばれている。

雨団扇(あめうちわ):歌舞伎で使われる打楽器
ウチワの表面にビーズなんかをズラーッと取り付けてある。
「雨うちわ」の名の通り雨の音を表現する。